2011年6月20日月曜日

木綿のゆかたと尾張名古屋 Vol2

おしゃれという言葉 洒落 シャレ
酒が落ちる?のがなぜオシャレ?
洒落の語源は「晒れ(され)・戯れ(され)」が転じたとされます。
「晒れ(され)」は、長い間、風雨や日光にさらされて白っぽくなるという意味。
晒されると純白の布になる様 と戯れごとの サレ から シャレに転じたとされます。


お洒落の言葉の成り立ちからも、『晒し』には『洗練された』とかという意味があります。

洗練の意味にも洗い練られると書きますし、垢抜けしたという意もありますよね
お洒落⇒晒し(さらし)⇒洗練、垢抜け・・  なんか深いぃぃ~ですね!

晒しとは染色する前に、織り上がった布の繊維に付いた不純物や糊を取り除いたり、
色素や臭いをとる「精錬(せいれん)・漂白」工程のことです。


それに対して晒していないものは未晒し(みざらし)といって天然の綿の少し茶色がかってます。

精錬工程に入っていない織り上がりの生地を生機(きばた)と言いますが、
これは織物全般で使われ、綿に限ったことではありません。いわゆる業界用語です。





晒しの方法には「天然晒し」と「薬品晒し」があります。


天然晒しは「天日干し(てんぴぼし)」と呼ばれる「太陽に晒す」ものが代表的で
空気中のオゾンの力で除菌・消臭・漂白するものです。


河原や芝生に干す「天日晒し(てんぴざらし)」の他
オゾン発生効果の高い雪の上で晒す「雪晒し(ゆきざらし)」は小千谷ちぢみで有名ですね。

つまり本来の「晒し」の意は自然の力で除菌・消臭の効果を持たせた素材だったのです。



天然晒しはまたの名を「和晒し(わざらし)」ともいいます。天日晒しの後に蒸気加熱でじっくり仕上げる特殊な釜で繊維にストレスをかけないで不純物を
しっかり取り除く昔ながらの晒し加工方法です。

現在、和晒し加工は愛知県の三河や知多地区で多くなされ、比較的乾燥した風土からも伺えます。
そして和晒し加工は今年トリエが作っている有松雪花絞りでは特に必要な加工です。
染料が白生地の中に吸い上げて入り込むつまり毛細管現象で
雪花絞りのグラデーションを作りだすわけですが、
和晒ししないと染料が入りにくく、吸い上げません。ねー手間がかっかってるでしょー!
上から吊るして自然乾燥中の生地

ちなみに、
 現在一般的な綿製品は薬晒し(洋晒し)が主流で、石鹸やソーダなどで煮た後水洗いし熱やテンションを掛け巾を調節、塩素系漂白剤で白くします。
多少生地にストレスがかかりますが短時間で処理できます。

浴衣売り場で、これは和さらし?とか聞いてみたら販売員さん困るやろなー
意地悪な質問ですけど・・

トリエの絞りは、全て 愛知県の生地、愛知県の和さらし、愛知県の絞り でございます。

今年は長梅雨なので僕は自分から雨に何日か晒されて、
洗練されたお洒落さんになろうと思います・・・


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